2022年04月10日  基督聖協団目黒教会 牧師 横山さおり
「新しい御霊によって仕える」 ローマ7:1~6
パウロはユダヤ人信徒に向けて語る。あなた方が人を罪に定める律法から解放されたのは、キリストのものとなり、実を結ぶようになるためです。律法に対する思いや重みは、異邦人に理解し得ないものだと思う。ユダヤ民族は旧約の長い歴史の中で、神の御教えに従うことの祝福、背くことの呪いを体験した。そして子々孫々、神の御教えを伝達してきた唯一の民族である。律法は彼らの生活のなかに浸透している。このような大きな存在力でユダヤ人を支配する律法について、パウロは執筆した手紙の中で、律法は人を罪に定めるものであり、救いを与える力の無いことを繰り返し伝えた。7:1~3では、「死」が人を律法から解放すると述べられている。ワルケンホストは、妻をキリスト者、夫を神、夫が死んだ後、妻が再婚する「他の男」を復活したキリストと解釈している。神とイスラエルの関係は、旧約聖書では夫と妻に例えられている。夫である神は、一方的な恵みの契約をイスラエルと結び、妻イスラエルは、夫である神の御教えに従う義務を持っている。律法によって神と結ばれているのである。この律法の支配が「死」によって解かれた。イエスは神の子であり神と御心を一つにしているお方である。旧約の律法は行ないに対する戒めであったが、イエスの山上の説教では、貪欲、欲情、傲慢、名誉欲など、心の動きに光を当て、戒められた。人の義がパリサイ人、律法学者に勝るものでなければ、あなた方は決して天の御国に入れないと神の御教えである律法を尊ばれた。神とイスラエルは律法によって結びつけられ、その律法は厳しいものであった。イエスはイスラエルと万民を救うために、ご自身の御身体を通し、ご自身を信じる全ての神の民と新しい契約を結ばれた。神がキリストの御身体を通して新しい契約を結ばれたのは、神の民が復活したイエスのものとなり、神のために実を結ぶためである。新しい御霊によって神に仕えることで実を結ぶのだとパウロは述べる。聖霊は世界の創造の前から神とともにおられ、人が神の御心を行う原動力となられた。「あなたは彼らを賢くしようと、ご自分の良き霊を与え…」(ネヘミヤ9:20)。罪を悔いる心、従順な心、主に対する恐れ、献身等も聖霊の働きに帰されている。旧約では聖霊こそが人を内的にきよめる原動力であると説いている。また、新約の時代にはさらに顕著な聖霊の働きが現れると予言され待望されていた(新聖書辞典)。その予言が、イエスの昇天後に成就したのだ(ヨエル2:28~29)。聖霊は私たちにイエスの愛を体験的に教え、聖霊の御働きこそが良き実を結ばせる原動力となる。聖霊の御働きが私達の上に注がれるように祈りたい。

カテゴリー: 礼拝メッセージ

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