2021年11月28日基督聖協団目黒教会 牧師 横山聖司
「イエスの教会」 マタイ11:28
ルオーの油絵に〝同じ夜、共に死なん〟がある。あのお方が、ふたりの犯罪人と一緒に死んでくださった。脳腫瘍で入院中、病名を告知されても心は平安だった。灯りのうるむ病室の中で、ひとりひとりが病に苦しみ、日常生活では考えられなかった人生の意味や死の不安と向き合っている。この病棟の中の多くが、自分の死のこと、自分の人生を初めて考えるのがここ病室なのではないか。もしそうなら、病室こそ新しい教会であり〝同じ夜、共に死なん〟と、あのお方が語りかけて下さっているに違いないし、私はその声を聴いた。常に教会は、サタンによる荒野の誘惑にさらされている。世界のすべての富と繁栄をちらつかせ〝俺にひれ伏すなら、この富を全部、あんたにくれてやってもいいんだぜ〟と訴えるサタン。教会は本当に、悪魔の誘惑に勝ったのだろうか。サタンは本当に負けたのだろうか。宗教改革のきっかけは、教会が富と権勢に膨れ上がり、貧しい者らから献げものを吸い上げ、罪の赦しも金で売るようになったからだ。教会は悪魔の誘惑に勝ったのだろうか。サタンは本当に負けたのだろうか。言っていることとやっていることがちぐはぐで、今日教会は何を競い合い、互いに足を引っ張り合っているのだろうか。同じキリストを信じ、同じイエスを慕い求め、同じ日本を神の国に変えようとしながら、それぞれの働きを尊重することもなく、批判し合っている。人間はなぜ利己的なのだろうか。「悪魔は…言った。『もしひれ伏して私を拝むなら、これを全部あなたに差し上げましょう。』 イエスは言われた。「引き下がれ、サタン。『あなたの神である主を拝み、主にだけ仕えよ』と書いてある。」(マタイ4:8~10)。いつの日か、この日本にも神の国がやって来るだろう。その日を待ち望み、心をひとつにし、共に祈ろうではないか。威厳に満ちたあのお方が、両手を拡げ「それゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。そして、父、子、聖霊の御名によってバプテスマを授け、また、わたしがあなたがたに命じておいたすべてのことを守るように、彼らを教えなさい。見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」(マタイ28:19~20)と仰っておられる。

カテゴリー: 礼拝メッセージ

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