2021年10月31日 聖協団目黒教会 牧師 都丸道宣
主題 神は覚えておられた 創世記 7章17節-8章12節
ノアの背中のところで神様は箱舟の扉を閉められました。もう開かれることはありません。雨と地中からの水が地表を覆ってきたからです。外に残された人々も他の生き物たちも、全て滅ぼされてしまいました。滅びは突然やってきます。そのときになってちょっと待って!と言っても、止めることは出来ません。箱舟は過去の世界を置き去りに、先へと進んでいきます。過去に未練を残して、先に進めないことがあります。いつまでもある過去に囚われていては、未来に進むための船には乗れません。救われた後でも、過去が悪影響として身に降りかかることがあります。名誉や誇りやずっと取っておきたいものが、新しい世界では役に立たない、という瞬間が来るのです。神への信頼の中で先に進むべき時に乗り遅れてはいけません。自分の大切にしたい何もかもを、神との関係の中で吟味するのです。聖なる場所に入るために最小限必要なものをノアは選んでいました。アララテ(聖い地)の山にたどり着いたノア達の手にしていたのは神への信仰だけだったのです。神はノアと箱舟のすべての生き物ことを覚えておられました。この「覚えておられた(8:1)」の後にすぐさま聖霊の風が水面を渡り、水が引き始めました。神様はすぐに行動を起こすというとき、このような表現が使われます。「思い起こされた(出エジプト2:24)」や「目を留めてくださった(ルカ1:48)」ということばが奴隷解放やメシアを送る合図として使われています。神様が歴史に直接介入する合図なのです。急に思い出した!わけではなく、私たちは神様の動きに注目すべきときなのです。ノアは停泊した船から鳩を放ちます。神が閉められた扉には触れずに、地上の様子を探ります。全ての生き残ったものたちが暮らしていけそうなのか、慎重に調査します。三度飛ばしました。生きていけそうな確証を得ていきます。水は大分引いてきました。世界は再創造されたのです。宇宙からの紫外線は増えています。寿命はそのために短くなったと言われています。しかし、そこから神は新しく世界をノアたちと歩み始めました。救いとは新しい世界の入り口です。しかし、まだ船の中にいて、聖なる地に足を踏み入れるには地上の悪の中を歩んでいかなくてはなりません。逆境も苦難もあります。しかし、ここで、私たちは神との愛を育むのです。神にもっとしっかり覚えていただくのです。

カテゴリー: 礼拝メッセージ

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