2024年11月17日 基督聖協団目黒教会 牧師 横山聖司
「ルシファーととミカエルの闘い」ルカ10:17。
エゼキエル書28章とイザヤ書14章はサタンの起源堕天使ルシファーについての記述である。「あなたの心は自分の美しさに高ぶり、その輝きのために自分の知恵を腐らせた。暁の子、明けの明星よ。どうしてあなたは天から落ちたのか。国々を打ち破った者よ。どうしてあなたは地に落とされたのか。あなたの心は自分の美しさに高ぶり、その輝きのために自分の知恵を腐らせた。」ジョンミルトンの「失楽園」によれば、天使の長ルシファーには地位も名誉もあり、その姿は美の極みであり、成功するにつれ、有名になるにつれ、神に背を向ける。神の支配を受けない自分の居場所、闇の国を作るため、天の御使いの三分の一を説得して反乱軍を組織する。ルシファーの反乱は失敗に終わり天を追われ稲妻のように地上に投げ落とされる。イエスは言われた。「わたしが見ていると、サタンが、稲妻のように天から落ちました。ルカ」10:17)
太宰の短編に〝こおろぎ〟がある。手紙文の小説である。
「お別れいたします。あなたはうそばかりついてきました」妻から夫への衝撃的な宣言で手紙が始まる。夫は画家で先行きもおぼゆかない貧乏画家であったところにヒロインは彼の悲しい画風に感銘し周囲の反対を押し切って結婚を決意する。あれは小さい庭と日当たりのいい縁側の絵でした。縁側に誰も座っていないので白い座布団が一つ置かれていました。青と黄色と白だけの絵でした。見ているうちにこの絵は私でなければわからないものだと思いました。あなたのもとへお嫁に行かなければと思いました。という決心である。結婚しても貧乏で生活は苦しかったがヒロインは不満を抱かず、色々と工夫することに喜びさえ感じていた。ところが急に絵の評判がよくなり、立派な賞なども受けてたちまち夫は有名画家になり、絵が高値で取引されるようになる。すると今まで隠されていた俗物性があらわになり人柄が一変してしまう。ヒロインは「何かが違う」「私が求めたのはこれではなかった」と激しい嫌悪を覚える。ヒロインの切なさが読む人の胸に迫ってくる。成功するにつれ、有名になるにつれ、あらわになってしまう人間の俗物性を鮮やかにえぐりだして間然するところがなお。「わたしが見ていると、サタンが、稲妻のように天から落ちました。ルカ」(10:17)。闇の力は私の心に落ちたのかもしれない。

カテゴリー: 礼拝メッセージ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です