2024年5月26日 基督聖協団目黒教会 馬上野々花神学生
詩篇121篇「主は私を守る方、主はあなたを守る方」
詩篇121篇には「都上りのうた」と表題がつけられています。イスラエルではエジプトの奴隷状態から解放されたことを記念し喜ぶお祭りがあり、このお祭りのときにイスラエルの男性はエルサレムに上って神を礼拝することが求められていました。これを「都上り」といいます。詩篇121篇のテーマは「都に上っていく巡礼者を主が全く守ってくださる」ということです。そしてこの詩は二人の歌い手から成っています。まず1-2節では「私の助けは主から来る」と巡礼者が自らの信仰を言い表しています。そして続く3節以降は「主はあなたを守る方である」とエルサレムへ向かう巡礼者に対して誰かが励ましのうたをうたっています。詩篇121篇には以上のような特徴があります。巡礼者は旅の途中。山に向かって目を上げ、「主の助け」を告白しました。この「主の助け」を心に想う巡礼者の姿から、目の前に立ちはだかる山々は巡礼者にとって越えていかなくてはならない困難なものであったことを想像します。実際、エルサレムの山はゴツゴツした岩山であり決して平たんな道ではありません。むしろ歩きづらい、険しい道だったでしょう。私たちの神の国を目指す道とも似ているのではないでしょうか。私たちも、天上のエルサレムである神の国を目指して旅をしています。イスラエルの民がエルサレムという目的地へと向かうにあたって、山々という試練が目の前に立ちはだかっていたように、私たちも主が歩むようにとお命じになったその道の途中、度々試練に合います。しかし、神様はこの苦難の道のりを必ず助けてくださるということが121篇において繰り返し語られています。巡礼者自身もそのことをよく覚えていました。「私の助けはどこから来るのか。私の助けは主から来る。天地を造られたお方から」と告白しました。さらに、この信仰の告白を、強め励ましてくれる、仲間がこの巡礼者にはいました。励まし手は、神がどのようなお方で、どのように神がこの都上りを守ってくださるのかを語り、巡礼者を励ましました。この励まし手の口からは圧倒的な神の守りが語られました。この巡礼者はこのような励まし手の口を通して、神がどこまでも真実さをもってこの旅路を力強く守り導かれるお方であられることを想い越させられ、大きな慰めと励ましを受けたことでしょう。私たちもこのように兄弟姉妹の口から励ましとして語られる言葉を通して、人生の困難の中で神と出会うことがあるのではないでしょうか。私たちは、兄弟姉妹として互いの信仰を励まし合いたいと思います。「主は私を守る方、主はあなたを守る方」です。詩篇121篇を共同体として共に告白しつつ前進して参りましょう。