2023年9月10日 基督聖協団目黒教会 牧師 横山さおり
「神の約束を信じる」ローマ11:11~15
「彼らの目が暗くなり、見えなくなりますように。その腰をいつも曲げておいてください。」イスラエルの頑なな者たちに対する預言は成就した。これは、イスラエルにとって大きな損失、神に対する大きな罪となった。なぜなら神は、多くの預言者たちを通してメシヤの現われを約束し、メシヤによって統治される揺るがない国を与えることをイスラエルに約束しておられたからだ。十字架を背負わされたイエスは振り向いて言われた。「エルサレムの娘たち、わたしのために泣いてはいけません。むしろ自分自身と、自分の子どもたちのために泣きなさい。なぜなら人々が、『不妊の女、子を産んだことのない胎、飲ませたことのない乳房は幸いだ』という日がくるのですから。…生木にこのようなことが行われるなら、枯れ木には、いったい何が起こるでしょうか。」イエスは、神が遣わされたメシヤを殺すというイスラエルの大きな罪に対して、その責任を問われる日がくることを告げられた。メシヤであるイエスが地上に来られたときから、世界には大きな変化がもたらされた。神の力と支配が世界に入り込み、人々を罪から解放し、悪魔の支配から解き放った(マタイ13:14~23)。イエスが与えてくださった神のことば、神の支配を心に受け入れる者は、良い畑に蒔かれた種のように多くの実を結び、神の栄光を現わす。一方、道ばたや、岩地、茨に蒔かれた種のたとえのように神のことば、神の支配を人は拒むこともできる。神の力あるおことば、神の支配は、畑に隠された宝のたとえのように、人が持っている全財産を投げ打ってでも手に入れる価値があるものだが、イスラエルがイエスを受け入れようとするとき、イエスに敵対する権力者、パリサイ人、祭司たちの圧力と妨げがあった。彼らを恐れて公にイエスを信じると告白できないイスラエルが大勢いた。神が選民イスラエルに与えられたメシヤであるイエスを拒み、十字架に架けて殺すということは、イスラエルにとって大きな損失、神に対する大罪だった。だが、パウロはこの失敗によってイスラエルが滅びてしまうことは決してない。と断言する。かえって、彼らの失敗によって救いが万人に及ぶという素晴らしい結果がもたらされた。とパウロは語る。神は選民イスラエルの失敗によって、神の支配が全世界に及ぶという大逆転の御業を行われた。そして異邦人がイエスを信じ救われ、新しいいのちに生きる様子は、イスラエルに妬みを起こさせた。パウロは、福音を伝える時には、まず、ユダヤ人の会堂で、ユダヤ人に福音を伝えた。神を求める敬虔なイスラエルはパウロの話を聞くと、熱心に聖書を調べ、イエスを信じた。一方、頑ななイスラエルは、イエスを信じるものが増えると妬みに燃えてパウロを殺そうと追い回し、福音の働きを妨げた。同じ妬みでも、向かう方向によって神の栄光を拝する結果に至り、他方は神に反逆する行為に至ることを思わされる。神はイスラエルの背信を世界の富とし、イスラエルの失敗を異邦人の富とされた。人の弱さをご存知でおられる神は、全てを見通されて、御自身の御名のために英知と力をもって世界を救いへと導かれる。「残りのもの」も、異邦人も決して誇ることは許されていない。そして、頑ななイスラエルに対しても、神は霊的に回復させると約束しておられる(エゼキエル36:23~27)。

カテゴリー: 礼拝メッセージ

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