2022年10月30日 基督聖協団目黒教会牧師 横山さおり
「罪と死と悪魔からの勝利 」ローマ8:38~39
キリスト者の苦悩の頂点は、キリストのために殺される「死」であるとワルケンホーストは述べている。パウロは「死」もキリスト者を神の愛から引き離すことは出来ないと宣言する。聖書にパウロが天に引き上げられたという体験が書かれている。パウロは第三の天、パラダイスを体験し、人間が語ることを許されないことばを聞いた。死を超えて帰る場所。神が御臨在される天を見たことはパウロの献身の歩みに大きな影響を与えた。パウロは使徒として迫害や異端という激しい嵐に見舞われ、混乱の中にある信徒たちを正しく導き、神の国を目指して忍耐深く歩むように励まし続けた。人種差別撤廃のために非暴力を掲げて戦ったマーティン・ルーサー・キング牧師も神の来臨の栄光を見た。キング牧師が反対者の凶弾に倒れる前日に行った「山頂に達した」というスピーチで、キング牧師はカナンの地を目前に地上での命を終えなければならなかったモーセと自身を重ねている。目標としている場所にはたどり着けないだろう。しかし私は何も恐れない。神の来臨の栄光を見たのだから。そのスピーチは確信に満ち力強い。イエスが肉体を持って地上に現れてくださったのは死の力を滅ぼすためだ。「そういうわけで、子たちがみな血と肉を持っているので、イエスもまた同じように、それらのものをお持ちになりました。それは、死の力を持つ者、すなわち、悪魔をご自分の死によって滅ぼし、死の恐怖によって一生涯奴隷としてつながれていた人々を解放するためでした」(ヘブル2:14~15)。キリスト者は人間の敵である「死」をすでに主イエスにあって克服している。パウロは悪魔、地上の支配者も神の愛から人間を離れさせることは出来ないと宣言する。悪魔は神の御業、主イエス、使徒たちに敵対し、神の計画を破壊するものとして聖書に記されている。悪魔はイエスの救いの御業を阻止しようと荒野でイエスを誘惑した。弟子たちにも働きかけペテロはイエスの十字架を妨げようとし、ユダはイエスを裏切った。悪魔はアナニヤとサッピラの心を奪った。悪魔は人間の心に働きかける。人間は悪魔に自らを明け渡すことができるので、その結果悪魔に属する者となり得る。悪魔は吠え猛る獅子のように食い尽くす者を探しているとパウロは警告する。私たちが生きる社会、そしてこの世界では、神および善の力と悪魔に導かれた悪の力との戦いが激しく展開されている。「ですから、神に従い、悪魔に対抗しなさい。そうすれば、悪魔はあなたがたから逃げ去ります。」(ヤコブ4:7)悪魔はすでに、イエスによってさばかれた敗北者である。キリスト者のためにイエスのとりなしの祈りは今も神の御前に捧げられている。悪魔がどんなに私たちの肉体、心を打ちのめしても、キリストによる神の愛から私たちを引き離すことはできない。(Ⅰコリント10:13)パウロは悪魔と死が完全に滅ぼされ、神の国が実現することを伝えている(ヘブル10:35~38)。イエスとともに生きるキリスト者は、罪にも死にも悪魔にもイエスによってすでに勝利を得ている。

カテゴリー: 礼拝メッセージ

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