2022年08月28日 基督聖協団目黒教会 牧師 横山聖司
「新しき人がやってくる」マタイ12:39~40
その返答は意外だった。メシアのしるしはひとつしかない。それは「ヨナのしるし」である。「悪い、姦淫の時代はしるしを求めています。だが預言者ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられません。ヨナは三日三晩大魚の腹の中にいましたが、同様に、人の子も三日三晩、地の中にいるからです」(マタイ12:39~40)。メシアのしるしは墓に横たわる以外にない。黄泉にも似た闇の中、巨大な魚がヨナを飲み込み、三日三晩祈った。〝我は海の真中に捨てられ、命運ここに尽きたり。恐ろしき水、我を取り巻き、海藻、髪にまとわり、切り立つ岩、我を突き刺す。されど救いの神、死の国より、我を救い出したもう〟三日の後、ノアは陸地に吐き出され、ニネベの街を救った。ひとりの人物が現れる。ユダヤ国民議会の議員アリマタヤのヨセフである。あのお方を慕いつつ、議員の肩書がそれを許さなかった。だが十字架のドラマは人の心に波紋を起こす。彼はピラトに談判し、あのお方の遺体を引き取った。放置すれば、犯罪者用の共同墓地に投げ入れられるだろう。彼は十字架に梯子をかけ、両の手と足から釘を抜き、遺体を降ろした。女らが墓に来たとき遺体はなく、見知らぬ若者が待っていた。「生きたイエスを死者の場に求めるな。言葉どおり彼は死者の中から復活した。〝人の子は罪人の手に渡され、釘付けられ、三日目に立ち上がる〟。行って弟子らに告げよ。彼は死者の中から復活した」。女たちは走って弟子らに告げた。「誰かが主を墓から持ち出しました。どこにご遺体を移したのかわかりません」。それは御使いが告げよと命じた言葉ではなかった。御使いが言ったのは〝彼は復活した〟〝約束どおり〟〝主のことばを思い出せ〟。だが女たちにとっては(釘付けられ、死んだ者の身体は墓に在るべきだ)との常識が、心を支配していた。パウロは訴える。「復活がなければ、信仰を持ち死ぬ人々は死の中で滅びたことになり、希望も現世だけのもの。それはみじめで無意味である。だがそうではない。キリストは確かに死者の中から起き上がった。死の底から新しい命に芽生える最初のモデル、初穂となった。…やがて我らも変化するだろう。朽ちる身体は朽ちぬ身体を着、死ぬべき身体は不滅を身にまとうだろう。新しき人がやってくる。こうして我らの国籍は天に置かれるようになった。

カテゴリー: 礼拝メッセージ

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