2022年07月03日 基督聖協団目黒教会 牧師 横山さおり
「神の子」 ローマ8:12~17
「わたしが去って行くことは、あなたがたの益になるのです。わたしはあなたがたのところに助け主を遣わします」。聖霊は弟子たちの偉大な助け主であった。弟子たちは聖霊に励まされ続けた。聖霊により異邦人のもとへ導かれたペテロの目前で異邦人に聖霊が注がれ、イエスの救いが万民に与えられた。聖霊に任命されたパウロやバルナバよってイエスの救いは世界に伝えられた。このとき、伝道する地域の決断は聖霊によってなされた。使徒の働きをみると聖霊に従順であった使徒たちの姿が見えてくる。教会という神の国の支配の拡大は聖霊の働きである。聖霊なる神は今もイエスを信じる者の内に内住し、罪と死の法則の虜となっている私たちの力となられる。だから「御霊によって生きる義務があるのだ。」とパウロは続ける。私たちも内に住んでおられる聖霊に依存してイエスに従うことが必要なのだ。イエスによって自由を与えられた人が、その自由を用いて聖霊と共に生きることを選び、御霊の実を結ぶことがイエスの命令だ。聖霊によって肉の行いを殺すことの反対に、肉に従うことが警告されている。「あなたがたは盗み、人を殺し、姦淫し、偽って誓い、バアルに犠牲を供え、あなたがたの知らなかったほかの神々に従っている。そして、わたしの名がつけられているこの宮の、わたしの前にやって来て立ち、「私たちは救われている」と言うが、それは、これらすべての忌み嫌うべきことをするためか」(エレミヤ7:9~10)。信徒に与えられた選択肢は二つ、聖霊にすがりつつ肉と闘う自由をとるか、欲望に身を任せて肉に従い生きる自由をとるか。どちらを選ぶかは信徒に任せられているが、肉に従う者は責任をも負うことになる。選民イスラエルは、神の子とされる身分を神から与えられている。しかし、彼らはその不信仰と不従順によって神の裁きを繰り返し受けてきた。このイスラエルの信仰の歴史は全ての時代に生きる信徒への教訓である。ヘブル書の著者はユダヤ人信徒に対して、カナンの地に入ることができなかった 祖先の不信仰、不従順の後をたどらないように警告と励ましを与えている(ヘブル4:12~19)。パウロはコリントの教会に手紙を書いている。コリントの教会では分派による対立、性の乱れ、教理に対する混乱などの問題を抱えていた。パウロはこのようなコリントの教会の信徒に対して、先祖と同じ過ちを犯さないように警告を与えた(Ⅰコリント10:1~13)。イスラエルの失敗の歴史は、現在を生きる教会に警告を与える。私たちの肉に対する闘いも難攻不落な城に闘いを挑むようなものだ。この闘いに勝つために必要なのはただ、神にすがり叫ぶこと、聖霊に信頼することなのだ。「神の御霊に導かれる人はみな、神のこどもです」(ローマ8:15)。神の子とされることは何という安心だろう。神の子が相続するものは、この地上においては聖霊を頭として闘う肉との闘い、この地上を去ってからはイエスと共に受ける栄光と天の御国である。

カテゴリー: 礼拝メッセージ

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