2022年1月9日 聖協団目黒教会牧師 都丸道宣
主題 多様性から一致へ 創世記10章
ノアの発した息子たちへののろいと祝福は、3人の息子たちの子孫たちへと及んでいきます。しかし、神様の思いはこうです。「わたしは悪しき者の死を喜ぶだろうか。ー神である主のことばー。彼がその生き方から立ち返って生きることを喜ばないだろうか。」(エゼキエル18:23)このみことばは真実であり、誰が罪を犯そうと、祖先の罪やのろいが及ぼうと、神に立ち返ろうとする者を喜んで受け入れてくださるお方です。様々な人物が今日の系図に登場しますが、その神の思いが背後に働いておられることを前提に読んでいかれるといいでしょう。家系は一番下のヤフェテから始まり、長子セムを最後にし、重要視しています。ヤフェテの子孫はインド、ヨーロッパに広がり、政治や経済に力を発揮していきます。しかし、霊的な未熟さからか、ユダヤ人の迫害や、キリスト教の権威を振りかざした暴力の歴史を刻みます。次男ハムの家系からはイスラエルを直接攻撃するような人物が次々登場します。特にバベルの塔を造るニムロデは反キリストの象徴のような人物で、後のバビロン、アッシリアというイスラエルを鎮圧する国々の原型となる町を造っています。ニムロデという名の意味は反乱です。その名の通り、神への反逆を繰り返します。腕の立つ狩人、勇士ともてはやされますが、その実、人々を蹂躪し、人まで狩っていたのでは、と言われるほどです。ニムロデのような勇士という慣用句が生まれたほど、その名はとどろいていましたが、神を恐れない、人々を恐怖に落とし入れる者の総称として使われたのでしょう。その背後にあったのはサタンだと言わざるを得ません。私たちは十字架にかかられた救い主イエス様だけをあがめるのであって、この世の権威に心奪われることはありません。力や横暴に屈することなく、十字架に自由にされた身で、ただ主だけをたたえます。長男のセムの家系からはメシアに繋がる子孫が生まれます。セムの子孫のエベルという名には、国境や川などを越えるという意味があり、ヘブルという言葉の原型です。アブラハムはユーフラテスを越え、モーセは紅海を越えました。ノアは洪水を越えて次世代へバトンを渡しました。それは人々が愛し合う世界へのバトンです。セムの家系から生まれるメシアは、今日の系図に出て来た全ての民を救いたいという神の思いを成就するために天から地へと来られました。加害者をも被害者をも、愛し仕える、私たちの模範となられる方です。現在は多様性の叫ばれる世界です。神を愛し、自分を愛することが出来るようになって、出会う人出会う人を、出たとこ勝負で愛し、仕えていきましょう。人々が増え広がり、罪も増し加わっていく世界にあって、悲しみ、苦しみあえぐ人が一人でも救いを受けるために、愛の一致をもって歩んでいきましょう。

カテゴリー: 礼拝メッセージ

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